脱走と追跡のサンバ

lightsilver2012-10-12

なんともまあ...世間様は騒がしいねえ。
玉石混在の多数多種の『情報』が入り乱れ...どこまでが真実でどこからが虚偽なのか、まるで解らん。
しかも...大部分が上げ下げ目的の糞な内容だけに、呆れ果てて距離置くなり、逃げ出したくなりますな。

ちなみに...人間が処理できる『情報』種・量てのは、自ずと限界がありまして...よからぬ連中は、それを越える『情報』を意図的に流通させ、許容量を飽和させて重要な『情報』を紛らわせている節が見受けられますな。
まあ...なるべくなら糞な芸能情報なんぞは自らで外し、許容量に余裕を持たせて下さいね...と。



さて...脱走と追跡。
実は...見事に忘れてました。
すみません。
たまたま知人に教えて頂いて...そういや読んだな...と思いだす程度の錆付いた記憶力ですんで、そこんとこはよろ。

何故に思い出したかというと...『脱走』と『追跡』の相反する『言葉』の韻が生み出す相対的で不安定な調和...という印象に強く惹かれた事だけは覚えてましたんで...
ただ、相対する力の調和の結果が騒がしいサンバとなるのは...まあ、狂気の天才・筒井康隆たる由縁ですなあ。

実は、その狂気の天才の最高傑作と謳われていながらも...消費者人気は今ひとつ冴えないとの事。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%84%B1%E8%B5%B0%E3%81%A8%E8%BF%BD%E8%B7%A1%E3%81%AE%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%90

筒井康隆神...この方も神様の御ひとりではありますが...私個人的には苦手です。
何故かと言うと...騒がしくて煩いから。
まあ、それが最高最強の武器であり、通常の読者が期待するところではありますが...
本作品は...ただ、ひたすらに騒がしく逃げるだけの内容です。
何から...て、この現世を縛る『情報』そして時間や空間から...



では簡単に...
ある時、SF作家である主人公『俺(おれ)』は、現在のこの世界が、本来、主人公が呑気に楽しく人生を謳歌していた世界から騙されて連れて来られた虚構の世界であると考え...この世界からの脱走を固く誓う。

そのためには...この世界の、情報による呪縛、時間による束縛、空間による圧迫、から解放される事により元の世界に戻れる...と考える。

脱出を阻止すべく追う謎の追跡者『私(わたくし)』の追跡を避け、どうやら主人公をこの世界に連れて来た張本人らしい女性『正子』を強引に連れ従いながら、解放の手段を求め奔走し...そして苦難の末、遂に脱走に成功した...のかな、というお話。



とまあ...文章は特に難解という訳でもなく、お笑い有りお楽しみ有りの読みやすい内容ですが...
登場人物達のやる事なす事、登場する舞台の世界観やら設定やら...もう総てが不条理で無茶苦茶で何の事やら訳解らん。
まあ...実際には緻密な計算に基づき綿密に構成しているとは思いますけども...
狂気の天才・筒井節炸裂!
不条理ドタバタ劇、シュルレアリスムスラップスティックの金字塔...てな言葉を並べる感じで宜しいですかね。

ただまあ、この作品の本質はメタフィクション...物語中に登場する様々な事項や事象に、全く別の意味を投影したり暗喩を用いたりして、多重構造の話を紡ぐ...てところなんですよね。
つまりは...その投影されている事を想像するなり、或いは理解できないと面白味は半減するて事ですわ。
当然、何を連想するかは、間違いなく読者の自由です。

正統にいくなら...
謎の追跡者『私』は、こちらの世界は、とても快適な世界であるらしく...こちらの世界に居るべき『俺』て事ですか。
別人格でしたかいな。
この世界に連れてきた張本人の『正子』というのは、おそらくこの作品の元であろう『ドグラ・マグラ』的に言えば、母親て事になるんですわな。
まあ...何かしらで世界を変えられる存在なら、嫁でも愛人でも恋人でも、姉妹ても娘でも何でもいい訳ですが。
そうすると、話中で主人公が『情報』および『時間』『空間』から逃れるために講じた手段や過程が、実際には何を表しているかをいろいろ想像してみるのも面白いですわね。

敢えて言おう!
この話は〆切や編集者から逃げるための教本だと!
ち...違うかな。

ところで...これは人それぞれで、『こちらの世界』と『あちらの世界』にて、これらを隔てる境界を何と考えるかで世界は変わりますが、皆さんは何だと思いますか。
生死とか就寝とか、社会的地位とか保有財産とか、国境や民族とか、価値観とか精神世界とか...電脳世界なんてのもありますわね。
本作品は、その境界を乗り越える話でもある訳ですが、現実世界の隔たりは否応なく増すばかり。

まあ、そこら辺りは...人それぞれでて事で。



ではまた。









副産物:

たまに毛色の違う、ジュブナイル...今で言うラノベとか軽く書いて、大当たりさせ、ぼろ儲けしてますな。
『七瀬』シリーズとか『時かけ時をかける少女)』とか...今のおやぢ共が萌え萌え言ってた(言わないけど)作品ですな...最近ではアニメ化された『パプリカ』?
原作の設定は押えてまして、面白そうだなとは思うけど読んではいないな...アニメ共々どうなんざんしよ?


斜に構えて、物事に対して批判的・皮肉的な視点で捉えて物語に投影して、(騒がしく)こき下ろし倒すのが味ですが...
初期の頃の、大枠での批判姿勢が、後期になると、ただの皮肉...愚痴言ってるだけて終わる感じがしますなあ。
どの神様も、年齢には勝てないて事ですかね...


⇒ 追跡者は、胎児の死体を、臍の緒を持ち鎖がまのように振り回しながら追跡する。

⇒ まさに汚物の墓場の下水管を通り抜けマンホールからこっちの世界に入りこんだものの、いまやあっちの世界へ脱出だ!
もう脱出するための行動しかのこされていないのだ。

パロディ作品と自らで述べているが...やはり、元はドグラ・マグラが大きく占めているよな。

遠野物語

lightsilver2012-10-11

さてと...時間がない。

前にもお詫びしましたが...かなり被る部分が有るとは思いますが、例えば、幻想作品や恐怖作品を追求している場ではありませんので...その点ご容赦を。

とは言え...ど阿呆な場に引っ掛かる方々の傾向であればこそ、場の趣旨と違えど、是非とも押さえて頂きたい作品の数々というものもありまして...そういうので誤魔化して逃げるのもありかな...と。
駄目?



日本民俗学の黎明を告げた必読の名著...だそうな。

遠野物語―付・遠野物語拾遺 (角川ソフィア文庫)

遠野物語―付・遠野物語拾遺 (角川ソフィア文庫)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%A0%E9%87%8E%E7%89%A9%E8%AA%9E

1910年
日本民俗学の父・柳田国男による著作。
その筋の方々には『聖地』と崇められている、現在の岩手県遠野市に纏わる民間伝承を集めた説話集。

民俗学』て何よ...てな学問的定義だとかどうでもいいけど...集めた話が面白いて事ですわ。
天狗、河童、座敷童子など妖怪に纏わる話から、山人、迷い家(まよいが)、神隠し、死者などに関する怪談、祀られる神の伝承...とまあ、好きな人には堪らん内容ですわね。

重要な事は、口伝の民間伝承を文章として記録した貴重な資料という事。
例えば、有名過ぎる天狗、河童、座敷童子のような題材を扱いたいのなら、先ずは読んで原点の姿ぐらいは押さえとけ...て事ですな。

まあ...無責任な伝言遊戯であらゆる事象が、すべて馬鹿な都市伝説と化していくのも...末期的で、ある意味面白いと言えば面白いかもね。

かれこれ、百年も前の著作ですからね...多少読むのが辛いですね。
詩的散文の文学作品としての評価も高いのですが...伝え聞いた内容を第三者として記録する構成なので、物語としては多少眠くなります。
だから...狙い目。
確固とした題材とし、自ら表現したい事を上乗せしやすいのですよ。
まあ...大抵、座敷童子が基本ですけど。

無粋な処で...
佐々木喜善、伊能嘉矩...て方々に聞いた話が多いとの事...当然、学者としての検証を実施したに違いないのだろうが、彼らの話が彼らの妄想に基づいているに過ぎないという事も...あり得なくもないかも知れないかもしれない...て何やねんそれ。

あと補足で...
本編『遠野物語』に、119話。
続編『遠野物語拾遺』に、299話が収録されています...ね、お話の宝庫ぽいですよね。
週1話で用いたとしても、8年は軽く保ちますなあ...



今回はこんなとこで...
ちなみに『座敷童子』が登場する作品を、個々にこき降ろしていくのも、結構間が保ちそうな数ですな...て、これはまた別の時空で。

ではでは。

悪魔の扉

lightsilver2012-10-10

頭痛い...
まあ、いつもの事なのでそれはいいんだが...

時代はデジタルですなあ...世間様では既に死語?

いやいや...先端技術を駆使した機械でさえ、善悪の狭間で揺らぐ時代が来たというのに...人間様のデジタル化は益々加速を増すばかり。
勝ち負け・金持貧乏の格差社会やら、右派左派やら、米国か特亜か、賛成か反対か、敵か味方か等々...諸々の二値化・二極化...まさにデジタル。

例えば、物語の世界では、既に勧善懲悪とか表層的には流行らないし...善悪が存在する価値観の軸に限定して、絶対善だの絶対悪だの阿呆な二元論で物事の成立など何もしないとか、当然周知なんだろうけどね...
実は、世間様のデジタル化が余りにも激しすぎて、内面までデジタル化されてないかいな?
以外と多いと思うな。



てな前振りはどうでもよくて...
善悪の話となると、西洋宗教的な神とか悪魔とかの作品多いですわね...軽いのから重いのまで。
逆に、東洋宗教的題材にすると善悪とかぼやけるのが面白いですな。

ただ、ご存知だろうけど、特別『聖書』に面白可笑しく、詳しく、神や天使や、悪魔の事が記載されてる訳ではないですわね。

殆どが...後世の都合のいい妄想、いや関連伝承なり、関連分野の体系化や再構成の副産物なり、拡大解釈や粉飾演出なり、説法の為の寓話なりですが...創作話でも長期間を経ると神話と同じ価値を持ちだすのはご存知のとおり...

で...これ。
阿呆な不倫話ではありません。

ドレの失楽園

ドレの失楽園

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%B1%E6%A5%BD%E5%9C%92

失楽園
著者:ジョン・ミルトン(英)
旧約聖書の『創世記』を題材とした叙事詩
17世紀の作品ですわ。
文庫版もありますが、
ギュスターヴ・ドレ(仏)のエッチング画が綺麗なのでこちらを掲載。
絵は19世紀の作品。

内容は...まあ、アダムとイブが『蛇』に唆されて神の禁を破り『善悪の知識の実』を食い、エデンの園追い出された話を目一杯広げた内容ですわ。

ここで言う『蛇』てのか、呼び方多々で困りものですが、ご存知の堕天使『ルシファー』さん...て事らしい。
『ルシファー』と『サタン』の関係が良く解らんのだが...『リリス』『ベルゼブル』だの、天使側だと四大天使の『ミカエル』『ガブリエル』『ラファエル』『ウリエル』とか...どこぞのゲームキャラオールスターズ。
これまでは説法臭くて良く解らない連中達が、物語に絡んで強烈に印象刷り込まれてしまい...以降、殆どの作品にその印象を残してしまいます。
そしてそのうち物語は...神話、いや真話て事になる訳ですかな。

明けの明星。
絶対神への反逆者。
服従より、戦いを選択し敗北した悲劇の英雄にして悪魔(堕天使)の長。
絶対善に対する、訳有りな絶対悪。
まあ...世間の多少擦れた連中には痺れる存在ではありますか。
因みに...全世界で『陰謀』してる馬鹿猿共は、この『ルシファー』と『バフォメット』とか言う悪魔を信奉する輩が多いんだとさ...良く解らんけど。



訳有り悪魔さん...神さんとの対立は必須だけど、人間の味方したり敵したり...微妙でいいポジションキープしてますなあ。
たかだかメジャーデビュー400年程度で...以前は『蛇』扱い止まりなのに。
半万年掛けて『猿』止まりな連中だとか、また嫉妬しますな...

ここでは...どうなのよ?

ディアボロス/悪魔の扉 [Blu-ray]

ディアボロス/悪魔の扉 [Blu-ray]

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%83%9C%E3%83%AD%E3%82%B9/%E6%82%AA%E9%AD%94%E3%81%AE%E6%89%89

TRAILER:
http://www.youtube.com/watch?v=jhSjeUKwkmc&sns=em

1997年公開
原題:The Devil's Advocat(悪魔の弁護人)
和題:ディアボロス/悪魔の扉
監督:テイラー・ハックフォード
出演:キアヌ・リーヴス...と、あの、アル・パチーノ

こちらは原作

悪魔の弁護人

悪魔の弁護人

著者:アンドリュー・ニーダーマン
翻訳:庭植奈穂子

実に安上がりで...ではなく、予算の殆どを役者に注ぎ込んだような、演技だけの構成です。
舞台とかに向いてるかな。
要所々で、モーフィンク等の特撮技術が地味に効果的に使われてます。
ど派手さは全く無し。

『ゴッド・ファーザー』アル・パチーノは神役...そんな訳はなく、当然、訳有りな悪魔役です。
役とごろの大物弁護士『ジョン・ミルトン』という名前は『失楽園』著者への尊敬なのか皮肉なのか...

脂が乗りつつあるキアヌ・リーブスが、神やら天使やら救世主やら...になるのはまだ先で、本作では、脆弱な(勝ち組で優秀だけど)人間代表...まあ、最初の人間『アダム』の転生かいな。

絶対善であり絶対神は...
何もしません。

はてさて...これで、天秤は均衡を保てるのか、振り子の揺れは増えるのか減るのか...
ああ、念のため...この作品、相当エロいです。
(自身の堕落や、誘惑などによる陥落、強制による従属などの象徴として意味あるエロさですが)



では簡単に...
主人公は若く優秀な弁護士。
時には法廷で勝つために非情な選択を厭わず、驚異的な無敗記録を続ける...
そして、法曹界の重鎮にして黒幕であり大都市『ニューヨーク』の超大物弁護士『ジョン・ミルトン』に認められ彼の事務所に勤める事になる。
...大出世である。

我が栄華と大都市の享楽に酔いしれる主人公、とその妻。
しかし徐々に、主人公の周囲で次々と不気味な事件が起こり、自身そして妻へと及ぶ...

主人公は事件の原因が『ミルトン』である事を知り、彼の事務所で、彼に銃口を突き付けて事を糾す。
彼は、自分が悪魔である事を告げる。

彼...悪魔は言う。
『神と悪魔は賭けをしている』...と。

次代の『支配権』を賭けて人間(つまりは主人公)が悪魔を選べば、悪魔の勝ちであり...それは殆ど達成されていると。
既に、悪魔への従属しか選択肢がない自らの状況を悟った主人公は...というお話。



実は...主人公、ここで自殺します。
そして...それが正解。
絶対善が助けた訳でもなく、絶対悪が引いた訳でもありません。

悪魔は滅び、悪魔と出会う前に時間が巻き戻どります。
時間が戻った法廷で...何故か人道的判断に拠り、勝ちを逃す主人公。
その判断に感動したと、人権派を名乗る弁護士から勧誘を受けます。
断る主人公。
そして、晴れやかな笑顔の主人公夫婦。

しかし...
人権派弁護士の顔が『ミルトン』の顔へと変貌し、哄笑と共に彼はうそぶく。
『賭けはまだ続く』...と。

...これでは書き過ぎですかな。

まあ『善悪』の知恵の実食べて、無害な家畜から解放された人間は...『善悪』両側から、賭けの材料として永遠に繰り返し踊らされている...てな事でよいですかいな。



機会を見て修正入れるかもだけど...今はこんなとこで。

でわ。





副産物:

両極への拒否や抵抗を、圧倒的弱者の立場とは言え...自殺という手段に投影した事には、多少抵抗を感じる。
他の投影先は無いのかいな。

悪魔が滅ぶとき...蝙羽の堕天使姿ではなく、鷲羽の天使姿で逝たのは...
なかなかに皮肉が効いてましたな。

そういや...
神は何もせず、信仰求めるだけ。
精神支配を望むだけ。
魔は現実世界に積極的に働きかける。
現実支配を望むだけ。
...だとか言ってよな。
正訳はどうなてたかな。



阿呆な不倫話は...
著者:渡辺淳一
...ああ、あの糞か。

役所広司×黒木瞳
古谷一行×川島なお美
...下の肉欲組の臭いとか凄そうだけど、予測の範囲だよな。
黒木瞳...てのは、良くないな。
媒体黙らして、後は放置か?

12モンキーズ

lightsilver2012-10-09

猿...て怖いよね?
本能忠実に恥も外聞も無くやりたい放題で、平気で同種殺して喰てしまうし...発情期の雌の尻とか節操のなさとか、とても見てらんねえし。
最も怖いと思うのは...目なんだよな。
大抵が...白目無いんだわ。
黒目で覆われてるか、白目部分が真っ黄色なんですわ。
なまじ人間に近いだけに...凄く怖いわ。
どこの国の馬鹿でも最初に口にする揶揄が、猿呼ばわりてのも良く解りますな...ただ、普段の行動規範見る限り、猿に近いのはそちらでは...てのは誰でも解る事。

てな...猿共が騒ぎ踊り狂う作品。
ちと違うか...

12モンキーズ [DVD]

12モンキーズ [DVD]

http://ja.wikipedia.org/wiki/12%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%82%BA

TRAILER:
http://www.youtube.com/watch?v=CBNMEwNx9x4&sns=em

1995年公開
監督は、『鬼才』デリー・ギリアム...そう、先日挙げさせて頂いた『未来世紀ブラジル』の監督。
主演は、ブルース・ウィリス...そして、ブラッド・ピット

どちらの役者さんもらしくないです。
確かにブラピの狂人じみた演技が新境地とかと評価されていましたが...まあ、風評そのものはジャニタレが汚れ役で注目される程度のものです。
それよりは、独自の纏った個性に安易に頼る演技ではなく、話中の役どころに専念して演じ切った...て事ですかな。
この辺りは、汚れ役演じても全く演技が変わらないジャニタレ辺りとは根本的に違います、て...ああ、最初から比較対象ではないですよね。
すみません。



では簡単に...
何やら『12モンキーズ』と称するどこぞの馬鹿猿共がばらまいた『ウィルス』のせいで人類の9割(リアルな数字だな)が死滅して、生き残りの人類は暗闇の地下に退避して暮らしている近未来...
その世界の罪人である主人公は、その贖罪で、馬鹿猿共の正体と彼らの『陰謀』を探り、『ワクチン』生成に必要とされる純粋な『ウィルス』の入手という任務を課され、出来の悪い『タイムマシン』で過去に跳ばされます。
何度も何度も...そう、成功するまで何度でも...
徐々に現実感を逸し精神が蝕まれる主人公。
そして...というお話。



まあ...この場では、細かい『タイム・パラドックス』の話はいいよな。
着目して欲しいのは、幾度として繰り返される悪夢...輪廻とか呼ばれるものの本質を身近に表現すると、実はこういう事なのではないかいな...て思わせる所ですわ。

馬鹿猿共の『ウィルス』散布の『陰謀』てな辺りとか含みが多過ぎて...なかなかに突っ込みがいかあるんだけど...まあ、いいか。
結局のところ、滅びかけている人類が助かるかどうなるのかは、良く解らない終わり方です。
視聴者側でいろいろ想像してみて下さい...てな感じですな。

そして、主人公は...この無限の輪廻地獄から解放されます。
現実世界での死をもって初めて...
過去の世界で銃弾を受け倒れる際に、偶然(ではないのですが)通行していた幼少時の自分と目が合います。
主人公は微笑み、そして逝きます。
悲劇で終えたとしても魂は救われたて事ですよね...と思います?

とんでもない!
その子供はやがて成長し、主人公がこれまで辿ってきた経験を繰り返す...て事ですわ。
永遠に...



そういや...物事上手く運ぶために何度も過去に戻りやり直して、幸せを掴むてな短編漫画があったけど...いらないか。
あと、私の知人のひとりに...この作品は人間の愛を逆説的に描いたものだ...と力説してるのがいまして、まあ、そういう側面も否定はできないのですが(定番の色恋沙汰もあるし)...ここではこんな感じで。



では。
(頭痛とまんね)

ホーンテッドマンション

lightsilver2012-10-08

軽く軽く...

私事で申し訳...て、ここ私事の場ですな...
昔、私生活は今と同じく荒んでましたが、仕事ではど阿呆な天狗の時期がありましてね...
その頃に、会社の金で(取り敢えず取材の名目を騙り)うちの連中大勢連れて、例の(初)ネズミーランドに行きまして(楽しかったな)...数多あるアトラクションの中で唯一凄いと感じたのが『ホーンテッドマンション』ですわ...

写真...ハロウィンランタンで関係無い?
だって...あと僅か(10月31日)で周りの馬鹿共が仮装大会とか浮かれ騒いで煩いからついでにと、当日の特別イベントとか催されるだろうし...何より面倒臭いのは、ネズミー著作権絡みの文句とか異常過ぎですもん...
ACTAとか悪利用されて強制捜査やら逮捕やらとか堪らんからね...て真に逮捕すべき連中は施行されて高笑いしてる訳だが...

東京ディズニーランド ホーンテッドマンション“ホリデーナイトメアー”

東京ディズニーランド ホーンテッドマンション“ホリデーナイトメアー”

これは、商用アフィリエイトで許諾済だろうから大丈夫だよな...

http://tokyodisneyresort.jp/tdl/atrc/fl/fl_hount.html
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3



情けない話ですが...屋外集客型の催し物とか、プライベートでは殆ど行った試しがないんですよ。
仮に自腹切ったとしても...単独(寂しい奴だな)で駆けずり周り、終日で全アトラクション踏破なんて観覧をしてしまいます...まあ、裏口入場なんて裏技も多用しますが...



それで何が凄いか...て、流石は腐っても鯛、時代の先取りてな訳で、元祖メイド・ゴス系の萌えはここが起点だと断言するでげす(当時)。
いやいや...正直、コンパニオン、いやアテンダントのお姉様方々の、モスグリーンのメイド衣装と、白いコウモリのカチューチャに欲情を覚えましたでげす(当時)。

今、改めて見ると...ださ!
まあ、この手の分野のセンスも変化してきてるて事ですかね...

実際の所は...まあ、皆さんは先端の電子技術を用いた立体視手法に慣れ過ぎてるとは思いますが...当時、ここでは電子的な立体視手法なんて使われてないんですね。
錯覚による騙し絵や、レンチキュラーによる変化絵、ハーフミラー投影映像による擬似立体表示、ホログラムによる立体表示など...言ってしまえば場末の秘宝館でお気軽に使われてる方式なんですが...それらを複合的に組み合わせ、かつ表示の脆弱さの欠点を、お化け屋敷...お化けの表現として利点に変え、総合的に世界最高水準のエンターテイメントにまで昇華させている事に感動...と言うか驚嘆した次第ですわ。



で、看板背負うから期待しましたよと...映画館には行きませんが。

ホーンテッドマンション 特別版 [DVD]

ホーンテッドマンション 特別版 [DVD]

2003年
監督:ロブ・ミンコフ
主演:エディ・マーフィ

エディ・マーフィかよ...という、やな予感そのままのB級喜劇でした。
なので詳細割愛。
ただまあ...エディ・マーフィの娘役が、重要なマジック・アイテム拾うために、多数の死体と汚物にまみれた水場に潜るというシーンがありまして...いい度胸してるよなあと...それだけ。

そのうちに、次回作があるようでして、今度は3D作品との事。
どうなるんだろね...

てな感じて...本日は手抜き。
この場の趣旨と違う?
...そんな事ないですよ。



ではまた。

サクラテツ対話編

lightsilver2012-10-07

軽く...

久々に...ほんと久しぶりに、糞のようなラブコメ誌に変わり果てた『週刊少年ジャンプ』何ぞを買ってしまった...

何故かと言うと『岸辺露伴は動かない』が掲載されてたから...
まあ...説明不要ですわね。
内容を慮外したとしても、これだけで、本編の多メディア展開絡めてどれだけの経済効果...と言うか出版社が儲けるんだろね。
例えば『岸辺露伴』なり本編名称を索引項目にするだけで検索数とか跳ね上がるもんな...凄いことですわ。

こちらはご参考程度で。

岸辺露伴 ルーヴルへ行く (愛蔵版コミックス)

岸辺露伴 ルーヴルへ行く (愛蔵版コミックス)

発表したてなので...詳細控えますが...
岸辺露伴』は当然...作家先生。
作中の舞台を編集部、(敵)を編集者、舞台住人の成功者達を漫画家、そして周辺環境を我々購買者に置き換えて読むと...なかなか面白いですよ。
最後に...(敵)曰く、再挑戦しますか?
それに答えて曰く、二度と来ないと...まあ、つまりはそういう事です。



てな...前振りに関係するやら関係しないのやら...
今回はこれで。

サクラテツ対話篇 上巻 (ジャンプコミックス)

サクラテツ対話篇 上巻 (ジャンプコミックス)

サクラテツ 対話篇 下巻

サクラテツ 対話篇 下巻

http://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%86%E3%83%84%E5%AF%BE%E8%A9%B1%E7%AF%87

中国の奇書『封神演義』を題材とした同名漫画が超大当たりした作家さんですな。
短編作品の冴えとか大好きなのですが...個人的には苦手な画風です。
すみません。

ずはり本作は、打ち切り作品です。
本作と次作『ワークワーク』の打ち切りで...作家さんと出版社との契約破談と相成ります。
ワークワーク』も面白い作品だと思いましたけどね...

主人公は『桜テツ』といい...まあ『ソクラテス』ですわ。
本作の主要な登場人物達は、歴史的な哲学者の名前に由来してまして、彼らが主張してきた様々な価値観の対立や闘争という多重表現にも挑んでいたようですが...打ち切り確定の時点で全てお釈迦に...


では簡単に...
主人公とその家族が住む土地が高騰...『価値』が上昇した土地の高額税金支払に追われ、労働に勤しむ毎日を送る主人公...
ある日突然...その土地を狙い侵略者達が次々と押し寄せて来ます。

未来人やら、宇宙人やら、地底人やら、神様やら、悪魔やら、妖精やら...もう諸々。
更には、某国大統領や主人公が苦しむ姿を眺めるのが趣味という大資本家の友人までが、それぞれの価値観...と言うか屁理屈を論じ、様々な手段で侵略してきます。
この不条理に対し、敢然と闘う主人公のお話...というお話。

...尖岳・沖縄か?
...竹島対馬か?

お好きな方々には先にお詫びしといて...『涼宮ハルヒ』シリーズの雛型です...てな話が有るとか無いとか。
取り敢えず、萌えだろうが腐女だろうが、売れた者勝ちて事でいいんですよね...角川さん。



さて...と
打ち切り確定後は...それは酷い展開になりまして、既掲の『機械仕掛けの神』漫画神(手塚神ではない)なるものが登場し、舞台をひっくり返して終わるのですが...その神というのが『漫画神ハイデガー
ご存知『マルティン・ハイデッガー』と言えば『実存主義』の祖とされている、厄介で偉大過ぎる哲学者ですわ。

それで...主人公が様々な不条理に直面するのは、漫画の主人公として『存在』しているからであり、主人公として『存在』するためには必要不可欠な事であるからだそうな。
てな...直接的な説明はないですけどね。

言い方代えると...漫画家が編集の不条理に遇うのは、漫画家として『存在』しているからであり、漫画家として『存在』するためには必要不可欠な事である...て事かな。
こちらの方が、作家さんの本音(批判)ぽいのかな。

いずれにせよ...『無知の知』を唱えた哲学の祖『ソクラテス』に、実存主義の祖の『ハイデッガー』が神として『存在』を語ってしまう訳ですな。

まあ...打ち切り確定後に、よくここまで含ませたものだと思います。



てな訳でまた。

妻は多重人格者

lightsilver2012-10-06

変則構成にて...

こんな作品があるんですな。

妻は多重人格者

妻は多重人格者

映像化され衛星で放送されたようで...
http://www.bsfuji.tv/top/pub/multipheno.html

地上波放送は腐りきってますが...衛星放送には、まだ、救いが残ってる部分があるのかな...て、ここでは関係ないか。

主演・高嶋政伸て...確か元嫁があれで、凄く揉めてるよな。
まあ...あれも、精神疾病を起こしてると言えなくもないか...皮肉な話だねえ。

ところで...申し訳ありません。
この話知らないです。
...ので軽く舐めてみます。
解離性同一性障害多重人格障害)...所謂、多重人格の嫁さんが、知らない自分が借金しまくり多重債務者になると...
多重×多重の苦境を夫婦で乗り越えていくと...
実話との事だ...いい話だなあ。
本当かよ。



主人格含めて五人居るそうな...いや、多重人格障害と診断されるなら、その時点で主人格の存在があやふやな訳なのですが...

こうなると...やはり大御所外すと信義にもとるて事になりますな。

五番目のサリー〈上〉 (ダニエル・キイス文庫)

五番目のサリー〈上〉 (ダニエル・キイス文庫)

五番目のサリー〈下〉 (ダニエル・キイス文庫)

五番目のサリー〈下〉 (ダニエル・キイス文庫)

作者は、先日のネズミの話と同じく、ダニエル・キイス...掲載の作品と異なり、こちらの話は創作ですのでご注意を。
まあ...既に『型を確立』してしまいましたからね。
気の弱い主人格のほか...愛情的な人格や、暴力的な人格、知性的な人格、快楽的な人格...人間感情の要素を象徴化した別人格が表層化して何かと問題を起こす訳ですわ...で治療に向けた過程が描かれる次第です。
これまた...日本人の好きそうな型ですわね。

お気楽に言うなら、好意的に考えれば個人多種変身物て事ですわな。
特撮ヒーロー元祖なら『レインボーマン』、ヒロイン元祖なら『キューティ・ハニー』...いや『ひみつのアッコちゃん』てとこか?

欲張りな変身願望だな...
ちなみに、近年のヒーロー・ヒロインの方々はモードチェンジとか出来るのが基本スキルのようですな。
まあ...意識的に、別人格達が有している強調された特性を最大限に使えるなら、切り替わるてのもありですかね...て普通は、無意識に誰にでも出来てる事ですけど...

でも...どうなんざんしよ...
確かに、精神疾病として多重人格障害に本当に苦しんでおられる方々か居る事は理解できます。
しかし...日常は正常に主人格が統括していながら、借金したり犯罪やらかして、その後付けで別人格だとか言われたとしてもね...
別人格でも本人は本人なんだから責任や義務はあるんでねえの?
それとも、精神疾病との理由を重視して責任免除とかする方がいいのかいな...どう思われます?

馬鹿が何ぞ都合の悪い事して、あれは別人格の私がやりました...なんて抜かしてる輩はよく居るぞ...政治家とか。
多重債務の嫁なんざ...完全に依存性の浪費癖だろうよ...



ああ...取材実話なら、先日も述べましたビリー・ミリガンてのがありますが、今回も割愛してまたの機会に。
と言うのも...実はここでご紹介したい作品があるのですよ。
在野の方の作品なので、重箱の隅突つかないようお願いの程を...
巨大掲示板『じわじわ来る怖い話』の掲載作品。


『わたしにはたくさん家族がいます』

846 :1/3:2008/02/12(火) 04:50:32 id:c9q6bsbn0

わたしにはたくさん家族がいます。
ほんとうにおおぜいです。
ちょっと考えられないくらい。
優しくていろんな言葉を話せるおじさんや、野生的でかっこいいおにいさん。
あら、今日も2ばんめのおにいさんがタバコを吸っている。
けむい。 むせそう。
またおねえさんに叱られても知らないからね。

わたしたちの生活はちょっと不思議です。
ふだんはみんなで話したり遊んだりしてるんですが、いつも誰かひとりだけいません。
気になっておねえさんに聞くと、「お仕事にでかけてるの」
みんなが揃う時は、決まってお食事の時間だけです。
おじさんは食事の時間に厳しいひとです。
みんなが揃わないと、決して食べようとも食べさせようともしません。
みんな、おじさんが怒るととても怖いと知っているので、必ず守ります。

847 :2/3:2008/02/12(火) 04:51:54 id:c9q6bsbn0

今日はみんなのようすがちょっとヘン。
食事の時間でもないのにみんなが部屋にいます。
でもみんな嬉しそうじゃない。
なんだかたいへんそう。
わたしは子供だからむずかしいことはわからないけど、わたしも家族の一員です。
お手伝いできることがあればしたいです。
そう2ばんめのお兄さんにいうと、
優しく「だいじょうぶ、気にしないで遊んでおいで」。
あれ?おにいさんタバコやめたんだ。

今日はすごい雨!
お外じゃ遊べないや。
それでもみんな仕事で忙しいみたい。
いれかわりたちかわり出かけたり戻ってきたり。
まるで家の中は作戦本部!
リーダーはおじさんです。
何してるか聞いたら、お外ですごーい大事件が起こってて、みんなで解決しようとがんばってるんだって。
がんばって!とおじさんを励ますと、いつものように優しく、少しかなしそうに、「ああ、頑張るよ」だってさ。
へんなおじさん。

みんな一息ついて食事をしてるときに、おねえさんがぽつりと、「もう無理ね」って言いました。
みんなためいきをついているけど、なんだろう。

848 :3/3:2008/02/12(火) 04:54:45 id:c9q6bsbn0

きのうが嘘のような快晴の日!
外はいい天気で、気分ははれやかです。
今日はみんなニコニコうれしそう。
いつもよりみんな優しいです。
ふだんいつも遊ばない、おじさんとかおにいさんともたくさん話して、今日はとても楽しい日です。
こんな日がいつも続くといいのに。

食事もいつもより豪華!それに食べても食べてもなくなりません。
こんなこと初めて!
まるで魔法みたいです。
「満足したかい?」
おじさんが優しく聞きます。
「うんとっても、今日はすごいすてきな日だった!」
そうわたしが言うと、みんなが一斉に立ち上がりました。
何故だか、わたしだけ立ち上がれません。
はやく立たないと怒られちゃう。
あせっていると、みんながわたしをみて、優しく微笑んでいるのがわかりました。
それがすごく怖くて、なんだか悲しいのです。
なみだで目の前がゆがんできました。
みんながぼやけていきます。
かなしい。
なんだろう。
おいてかれる?そんな気がする。
おいていかないでよ。
おいていかないでよ。

気がついたら知らない病院でした。
私は窓辺の見えるベットで寝ていました。
あたりを見回すと、えらそうなお医者さんと、知らないおばさんとおじさんがいました。
おばさんとおじさんが言いました。
「私たちのこと、わかる?」
知りません?誰でしょう。
私の家族はどこにいったのでしょう。
そう聞くと医者は眉をひそめます。

答えてよ。

ああ、わかった。
コイツが私の家族を殺したんだ。



...というお話。
(掲載に問題がある際にはご連絡を)

でわまた。