悪魔の扉
頭痛い...
まあ、いつもの事なのでそれはいいんだが...
時代はデジタルですなあ...世間様では既に死語?
いやいや...先端技術を駆使した機械でさえ、善悪の狭間で揺らぐ時代が来たというのに...人間様のデジタル化は益々加速を増すばかり。
勝ち負け・金持貧乏の格差社会やら、右派左派やら、米国か特亜か、賛成か反対か、敵か味方か等々...諸々の二値化・二極化...まさにデジタル。
例えば、物語の世界では、既に勧善懲悪とか表層的には流行らないし...善悪が存在する価値観の軸に限定して、絶対善だの絶対悪だの阿呆な二元論で物事の成立など何もしないとか、当然周知なんだろうけどね...
実は、世間様のデジタル化が余りにも激しすぎて、内面までデジタル化されてないかいな?
以外と多いと思うな。
てな前振りはどうでもよくて...
善悪の話となると、西洋宗教的な神とか悪魔とかの作品多いですわね...軽いのから重いのまで。
逆に、東洋宗教的題材にすると善悪とかぼやけるのが面白いですな。
ただ、ご存知だろうけど、特別『聖書』に面白可笑しく、詳しく、神や天使や、悪魔の事が記載されてる訳ではないですわね。
殆どが...後世の都合のいい妄想、いや関連伝承なり、関連分野の体系化や再構成の副産物なり、拡大解釈や粉飾演出なり、説法の為の寓話なりですが...創作話でも長期間を経ると神話と同じ価値を持ちだすのはご存知のとおり...
で...これ。
阿呆な不倫話ではありません。
- 作者: ミルトン,ドレ,谷口江里也
- 出版社/メーカー: 宝島社
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『失楽園』
著者:ジョン・ミルトン(英)
旧約聖書の『創世記』を題材とした叙事詩。
17世紀の作品ですわ。
文庫版もありますが、
ギュスターヴ・ドレ(仏)のエッチング画が綺麗なのでこちらを掲載。
絵は19世紀の作品。
内容は...まあ、アダムとイブが『蛇』に唆されて神の禁を破り『善悪の知識の実』を食い、エデンの園追い出された話を目一杯広げた内容ですわ。
ここで言う『蛇』てのか、呼び方多々で困りものですが、ご存知の堕天使『ルシファー』さん...て事らしい。
『ルシファー』と『サタン』の関係が良く解らんのだが...『リリス』『ベルゼブル』だの、天使側だと四大天使の『ミカエル』『ガブリエル』『ラファエル』『ウリエル』とか...どこぞのゲームキャラオールスターズ。
これまでは説法臭くて良く解らない連中達が、物語に絡んで強烈に印象刷り込まれてしまい...以降、殆どの作品にその印象を残してしまいます。
そしてそのうち物語は...神話、いや真話て事になる訳ですかな。
明けの明星。
絶対神への反逆者。
服従より、戦いを選択し敗北した悲劇の英雄にして悪魔(堕天使)の長。
絶対善に対する、訳有りな絶対悪。
まあ...世間の多少擦れた連中には痺れる存在ではありますか。
因みに...全世界で『陰謀』してる馬鹿猿共は、この『ルシファー』と『バフォメット』とか言う悪魔を信奉する輩が多いんだとさ...良く解らんけど。
訳有り悪魔さん...神さんとの対立は必須だけど、人間の味方したり敵したり...微妙でいいポジションキープしてますなあ。
たかだかメジャーデビュー400年程度で...以前は『蛇』扱い止まりなのに。
半万年掛けて『猿』止まりな連中だとか、また嫉妬しますな...
ここでは...どうなのよ?
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TRAILER:
http://www.youtube.com/watch?v=jhSjeUKwkmc&sns=em
1997年公開
原題:The Devil's Advocat(悪魔の弁護人)
和題:ディアボロス/悪魔の扉
監督:テイラー・ハックフォード
出演:キアヌ・リーヴス...と、あの、アル・パチーノ
こちらは原作
- 作者: アンドリューニーダーマン,Andrew Neiderman,庭植奈穂子
- 出版社/メーカー: ソニーマガジンズ
- 発売日: 1998/03
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翻訳:庭植奈穂子
実に安上がりで...ではなく、予算の殆どを役者に注ぎ込んだような、演技だけの構成です。
舞台とかに向いてるかな。
要所々で、モーフィンク等の特撮技術が地味に効果的に使われてます。
ど派手さは全く無し。
『ゴッド・ファーザー』アル・パチーノは神役...そんな訳はなく、当然、訳有りな悪魔役です。
役とごろの大物弁護士『ジョン・ミルトン』という名前は『失楽園』著者への尊敬なのか皮肉なのか...
脂が乗りつつあるキアヌ・リーブスが、神やら天使やら救世主やら...になるのはまだ先で、本作では、脆弱な(勝ち組で優秀だけど)人間代表...まあ、最初の人間『アダム』の転生かいな。
絶対善であり絶対神は...
何もしません。
はてさて...これで、天秤は均衡を保てるのか、振り子の揺れは増えるのか減るのか...
ああ、念のため...この作品、相当エロいです。
(自身の堕落や、誘惑などによる陥落、強制による従属などの象徴として意味あるエロさですが)
では簡単に...
主人公は若く優秀な弁護士。
時には法廷で勝つために非情な選択を厭わず、驚異的な無敗記録を続ける...
そして、法曹界の重鎮にして黒幕であり大都市『ニューヨーク』の超大物弁護士『ジョン・ミルトン』に認められ彼の事務所に勤める事になる。
...大出世である。
我が栄華と大都市の享楽に酔いしれる主人公、とその妻。
しかし徐々に、主人公の周囲で次々と不気味な事件が起こり、自身そして妻へと及ぶ...
主人公は事件の原因が『ミルトン』である事を知り、彼の事務所で、彼に銃口を突き付けて事を糾す。
彼は、自分が悪魔である事を告げる。
彼...悪魔は言う。
『神と悪魔は賭けをしている』...と。
次代の『支配権』を賭けて人間(つまりは主人公)が悪魔を選べば、悪魔の勝ちであり...それは殆ど達成されていると。
既に、悪魔への従属しか選択肢がない自らの状況を悟った主人公は...というお話。
実は...主人公、ここで自殺します。
そして...それが正解。
絶対善が助けた訳でもなく、絶対悪が引いた訳でもありません。
悪魔は滅び、悪魔と出会う前に時間が巻き戻どります。
時間が戻った法廷で...何故か人道的判断に拠り、勝ちを逃す主人公。
その判断に感動したと、人権派を名乗る弁護士から勧誘を受けます。
断る主人公。
そして、晴れやかな笑顔の主人公夫婦。
しかし...
人権派弁護士の顔が『ミルトン』の顔へと変貌し、哄笑と共に彼はうそぶく。
『賭けはまだ続く』...と。
...これでは書き過ぎですかな。
まあ『善悪』の知恵の実食べて、無害な家畜から解放された人間は...『善悪』両側から、賭けの材料として永遠に繰り返し踊らされている...てな事でよいですかいな。
機会を見て修正入れるかもだけど...今はこんなとこで。
でわ。
副産物:
両極への拒否や抵抗を、圧倒的弱者の立場とは言え...自殺という手段に投影した事には、多少抵抗を感じる。
他の投影先は無いのかいな。
悪魔が滅ぶとき...蝙羽の堕天使姿ではなく、鷲羽の天使姿で逝たのは...
なかなかに皮肉が効いてましたな。
そういや...
神は何もせず、信仰求めるだけ。
精神支配を望むだけ。
魔は現実世界に積極的に働きかける。
現実支配を望むだけ。
...だとか言ってよな。
正訳はどうなてたかな。
阿呆な不倫話は...
著者:渡辺淳一
...ああ、あの糞か。
役所広司×黒木瞳
古谷一行×川島なお美
...下の肉欲組の臭いとか凄そうだけど、予測の範囲だよな。
黒木瞳...てのは、良くないな。
媒体黙らして、後は放置か?