妖星伝

lightsilver2012-10-16

本日で取り敢えず休憩...
ひと月分あれば暫く保つわね。



蠱毒...蠱術とかいう訳の解らん施術があるらしく、閉じた空間に多数の同種生物を閉じ込め共食いさせて、最後の生き残りでいろいろ施術を行うそうな...
巨万の富をもたらすとか、憎い誰かを呪うとかにも効果抜群との事だ。

この星に閉じ込められ共食いさせられてる人間の最後の生き残りには...さぞや強い効果が期待できるだろう。
...て誰が使うのやら。



さて...と
嘘部・半村良の大長編作品。
ただ...結果的にだけど、重い題材を上段に構えた長編大河小説という形式は、余り得意ではなかった方なのかもしれない。
途中で飽きるのかな...

完本 妖星伝〈1〉鬼道の巻・外道の巻 (ノン・ポシェット)

完本 妖星伝〈1〉鬼道の巻・外道の巻 (ノン・ポシェット)

完本 妖星伝〈2〉神道の巻・黄道の巻 (ノン・ポシェット)

完本 妖星伝〈2〉神道の巻・黄道の巻 (ノン・ポシェット)

私のはプレミアついてる(ないか)ハードカバー本全巻(最終巻除く)だけどね。
誰が欲しい人居る?
とにかく...とことんエロいです。
そして、結果だけ言うなら異星人(生命体ではなく思念体)オチ。



では簡単に...またまた抜きで

神道とともに発生し、常に歴史の闇に潜み、超常能力を用い退廃と戦乱の陰に暗躍する異端の集団『鬼道衆』。
彼らの出没する処、必ず戦乱と流血、姦と淫が交錯する。
彼らを最も忌み嫌った徳川政権は徹底的な弾圧を繰り返した。

八代将軍吉宗が退いた今、鬼道衆の跳梁が再び開始される。
徳川政権を混乱させ腐敗させるため田沼意次の台頭に加担し始めた。
折しも全国に蔓延する大飢饉と百姓一揆の数々...これらも彼らの陰謀が為せたものである。
この世に地獄を見せる事こそが彼らの目的であり、彼らの盟主・外道皇帝復活に必要な通過儀礼でもあった。

鬼道衆の思惑どおり、江戸中期の日本はまさに頽廃の極致に陥る。
田沼政権の腐敗政治、蔓延する大飢饉と百姓一揆、人間の本能がなせる醜い争いの数々。
時が満ち、やがて復活した外道皇帝こそが、人類の歪んだ進化を促した創造主なのか...

この世の生とは一体何か?
地球こそは互いに啖い合わねば生きていけない『妖星』なのか?
民族や宗教を超え、人類の破壊と再生...『人類と宇宙の摂理』を問う空前の大河伝奇巨編。

...というお話。



十二神将なる存在がいてまして、『宮毘羅』とか『伐折羅』とか...『薬師如来』を守護する十二柱の神将なんですが...現在では、新薬師寺興福寺に素晴らしい仏像が安置されています。
必見です。
『外道皇帝』及び『鬼道衆』組頭は、この『薬師十二神将』を模した創りになってます。

また...平安京に宮城十二門(大内裏外郭十二門)てのがありまして...有名処で陽明門(東)とか朱雀門(南)とか...この門を模した、外道皇帝の居城の黄金城の門のそれぞれの守護者という設定でもあります。
で...使える超常能力というのが、それぞれで違う(本来は総て使える)という設定ですわ。

属性好きな方々には堪らない設定ですかね...ゴールドセイント?
まあ、つまりはそういう事です。



『人道の巻』と最終章の『魔道の巻』の間で結構時間が空きましてね...打ち切りかと諦めてましたが...終わらせ方を相当悩まれたんですな。
尚、悲惨な人間社会は『人道の巻』で話としては収束してます。

まあ...外道皇帝というのは異星の思念体ですわ。
太古、地球近辺の宇宙で危機的な異常を発見し、巻き込まれ遭難して地球にたどり着いた存在でして...その異常を知らしめる道具を造るために強引に進化を歪ませて促進させたという事ですな。

道具...思念体による宇宙船なんですが、その材料となりうる人間を造り出す事が目的なので、人間の善悪や価値観など無意味だし、最初から歪ませた存在なのでどうなろうと構わないという事ですな。
まあ...それだけ、その時空の異常とかいうのが危機的状況だと...
だだ...その異常とやらが、地球の生命進化を歪ませたが故に発生するであろうさらなる異常の予兆なのか否かには触れられてはいません。

そして...外道皇帝は目的を達して地球を離れます。
残された我々人間は道具を造る際に出た残り粕で...歪まされた進化という業を背負い、他者を喰らい、存在意義も無く、それでも生きていかねばならない...とまあ、救いが無いねえ。

鬼道衆の面々は思念体となり、外道皇帝と共に宇宙へと旅立ちますが...ひとりだけ取り残される女鬼道『朱雀のお幾』。
まあ...女鬼道として過酷で悲惨で海千山千の淫乱な人生を歩んできたのですが、その後普通の人間として貞淑な妻として静かな人生を全うします。
この辺が救いといえば救いなんですけど...おやぢ受け狙い臭いかな。
ここまでが『人道の巻』。


さて...現世で這いずり苦しみながらも頑張る普通の人達は沢山描かれてますが、根本的な問題に立ち向かう勇気ある普通の人は居ないのかい...
お坊さんで居ました...途中までは傍観者です。
色々あり思念体(つまりは解脱)として外道皇帝と共に地球を離れます。

勝手に無茶苦茶にして、あと放置とか酷いやないけ、どないしてけつかんねん...てな事で、それもそうだと言う事で力を授かり、新たな外道皇帝...救世主として地球に戻ります。
何度も転生を繰り返しながらも歪みの修正を試みます...何度も何度も延々と。
もう、人間の姿形も異形へと変化してしまった遥かなる未来でも修正は延々と続いている...とまあ、更に救いが無くなりましたかね。



...てな感じで。
ではまた。