ソイレント・グリーン

lightsilver2012-10-13

世界の人口約69億人...既に70億人越えてしまいましたかな?
まあ...だいたいそんなもの。
結構な数字ですな。

これだけの人間に等しく人権やら生活環境基盤を保障した時点で地球自体が潰れてしまうけど...人間として生まれ来たからには何らかの尊厳を有しているてのは...何とも悩ましい話ですな。

本気で洒落にならない状況ですが...ここで事細かく話したところでどうにか出来る訳でもなく、作品に関係する食料問題に限定して...

嘘か真か...今のとこ全人口を養うための生産量は足りているらしい...が、現実には8割の人間が腹空かしているとの事だ。

流通問題...いやいや、流通させるには相応の流通・社会基盤が必須だし、輸送に燃料消費するし、何かと費用も必要だ...てな感じて、食料握る連中は利益獲れる相手にしか流さないて事ですな...

そんなお困りの皆様に...
人口増加と食料不足...両問題を同時解決する方法があります。
ケケケ...

ソイレント・グリーン 特別版 [DVD]

ソイレント・グリーン 特別版 [DVD]

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BD%E3%82%A4%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3

TRAILER:
http://www.youtube.com/watch?v=vGC3zNalXkQ&sns=em

1973年
監督:リチャード・フライシャー

古い米国映画です。
面白いもので...日本作品で昭和顔てのが判るのと同じで、米国でも古い米国顔てのが判りますな...で、出演者皆そんな感じです。
表現手法も表現技術も相当古く見てられない箇所もありますが、そこは想定の範囲で。
ただ...オープニングは必見ですよ。
さすがに本編引用はまずいので、個人制作のリスペクト作品をご参考で。
(何時迄残るかは不明)
http://www.youtube.com/watch?v=JjrlKozPjVA&sns=em

これは、時間経過による食料事情の遷移を直接表現していますが(米国事情限定ですが)、本編では、人と文化・文明の遷移で、本編の背景総てを表現しています。
まあ...簡単に色々別分野へと転用できますな。



では簡単に...2022年。
終わることのない人口増加により、既に『各種資源が枯渇』し、世界は食住の無い人間が路上に溢れ、少数の特権階級と多数の貧民という激しい格差社会となっていた。
肉や野菜などの本物の食料品は稀少で高価なものとなり、特権階級を除く殆どの人間は、ソイレント社が海のプランクトンから作る合成食品の配給を受けて、細々と生き延びていた。
...というお話。

あと10年後の話...何という的確すぎる現実感。
まあ、ご想像通り...このソイレント社の合成食品『ソイレント・グリーン』の原料は『人間』でした...て事ですわ。

実際問題として、材料費ただでも加工費は何かと掛かるし、エネルギー資源も枯渇だから、そう簡単ではないけど...ビジネスモデル成立するなら、平気でやりそうな連中は多いよな。
材料の保有病原体や疾病要因の処置等は、貧民層に食わす分なら適当でよし、材料で使えないのは熱発電の足しで燃やして火葬とでも言うか...



こちらは映画の基となる小説...

人間がいっぱい (ハヤカワ文庫SF)

人間がいっぱい (ハヤカワ文庫SF)

1966年
著作:ハリイ・ハリスン
映画で描かれるエピソードとは直接関係しませんし、遥かに救いのない作品。
ただ...著作年を見よ!
ここまで来たら立派な予言書。
ご参考まで。



人間種の雌...牝には機会が与えられていて、若く華やかな季節に手段選ばず特権階級にお近づきになれると、家具や玩具として置いてもらえる可能性も...あると。
まあ...この辺りは生存本能に拠るものだろうし、過去も、現在もさほど大差ない。
阿呆が調子乗り浮かれ続けてると、派遣アイドルの末路と相果てる。
あの...小野小町でさえ然り。

人間種の雄...牡には機会がない。
実際には無くはないのだろうが、特権階級や既得利権の力が強大過ぎて絶望的な可能性でしかない。
それでも...若い間には誤魔化し、悪さしながらでも何とか頑張れるが、存在意義を見失しなうと、とたんに逝く事しか選択肢がなくなる。

自殺...いや、人間の尊厳とかの悪解釈・悪利用で安楽死か奨励されていまして、主力の奨励窓口が『宗教』...『教会』です。

話中『公営安楽死施設(ホーム)』の安楽死処置の際に流れる曲がこれ...

ベートーヴェン:交響曲第6番

ベートーヴェン:交響曲第6番

ベートーベン:交響曲第6番
...『田園』

草原や大海原などの美しい映像や、『田園』の曲に包み込まれて安楽死を迎える訳ですな。
その後...食品工場の加工ラインに乗る事になりますが...

実は...安楽死を選ぶ主人公の知人は、もう少し前向きな動機...秘密を暴くための自己犠牲と秘密を知り得た事による絶望を理由に安楽死を選んでいます。
本音はどうなんですかね...



重症を負い病院に搬送される主人公の最期の言葉...
ソイレント・グリーンの原料は人間だ!
早く何とかしないと、今に食糧生産のために人間を飼うようになる。
その前に何とかしなくてはならないんだ!
...この後主人公は...処置されたんだろな。



左右両大国の恐ろしい現実事例や、この国の自殺を扇動しているとしか思えない報道状況、人間の尊厳で粉飾した糞偽善議員の安楽死肯定発言とかも挙げようかと思いましたが...またの機会に。

これは意味無く『お口直し』で...

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ「月光」「悲愴」「熱情」他

ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ「月光」「悲愴」「熱情」他

ベートーベン:ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調
...『月光』

ベートーベンといやあ、先ずこの作品から載せたい...て事で。



では。