ねじ式

lightsilver2012-10-14

軽く...貶し路線で。

お陰様で...
今でこそ社会の底辺で足掻く泥沼状態ですが...これまでの職務を含めた上で、各種媒体の数多の最先端作品を消費する機会に恵まれてきた次第でして...まあ、大抵の分野には免疫なり耐性がついてます。

なので...所謂、不条理作品に対してにも、ある程度は免疫がついてまして、何らかの重要な事項が含まれているか、全く無意味なのか...程度なら、多少なれど判りもします。

それで...全く意味を持たない作品がこれ。

ねじ式 (小学館文庫)

ねじ式 (小学館文庫)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%AD%E3%81%98%E5%BC%8F

1968年 月刊『ガロ』6月増刊号掲載
作者:つげ義春
正直...何故これ程の評価を受けたのかまるで解らん。

作者紹介の箇所を引用すると...
『ガロ』を通じて全共闘世代の大学生を始めとする若い読者を獲得。
...とある。
ああ、成る程...『団塊世代』か。

まあ...何かと思想好きな(今で言う大二病患者)連中が、思想や討論遊戯の際に、各々勝手に最もらしく難解な意味を付け易すい作品が望まれたと...つまりは、そういう事ですな。

何やら良く解らんけど、多大な評価が既に『存在』するために...後読者達が意味不明な事項に、何か深い意味が『存在』しているに違いないと思い込む...本末転倒と。

自ら嵌めた主義主張の自己修正とか、真偽お構い無しで、死ぬ以上の屈辱とか考える連中ですからね...掲げた旗の引込みがつかなくなり主張し続けるのかね...


では簡単に...
海岸で『メメクラゲ』に静脈を切断された主人公が、死の恐怖に苛まれながら『医者はどこだ』と医者を探し求めて漁村らしき奇怪な町を放浪する。

『金太郎飴』珍問答などの不条理な目に遇いながらも、遂に求めていた女医(産婦人科医)と出会い『シリツ(手術)』を受けて事なきを得る...というお話。


まあ...貶したけど、作画から受ける生理的嫌悪感が無ければ、死に直面した恐怖が描く悪夢て事で面白いかもね。
『死(或いは何らかの変化)』が何なのか...それを引き起こす『××クラゲ(メメクラゲ)』とは何なのか...
不条理世界で、どこを切っても『金太郎』飴とは何なのか...そして、悪夢から助け出す『女医』および『○×式シリツ』とは何なのか...いろいろ想像するのは確かに面白い。
...我が物顔の決めつけで、フロイト心理学やら何やら押しつけて来られては堪らんけどな。


こちらは映画化作品...

ねじ式 [DVD]

ねじ式 [DVD]

1998年
監督:石井輝男
出演:浅野忠信藤谷美紀

この監督て...敗戦トラウマが酷いエログロ監督だよな。
確かに、江戸川乱歩の映画化作品は面白いと思うけど...
本作品を、98年にぶつけて来るとはどういう了見だろうね。
単に懐古厨狙い目的だけか。


こちらはご参考で...
(何時迄残るかは不明)
http://www.youtube.com/watch?v=Rgfa2N1XiGQ&sns=em
http://www.youtube.com/watch?v=q-MOOF45NRI&sns=em


まあ、どうでもいいけど...
現在、社会情勢的には幕末だとか戦前だとか、流行的には懐古耽美だとか...いろいろ言われてるみたいだけど...
何か違うなと感じてたんだけど...解りましたよ。
この嫌な空気感て...高度経済成長末期の学生運動が盛んな頃の空気感なんだわ...


てな訳でまた。





副産物

学生運動
1960年の安保闘争
1968年-1970年の全共闘運動・大学紛争
全共闘や過激派による暴力、100名以上の殺害等により、以後急速に後退し現在に至るまで下火の状態が続く。
現在では多くの大学で既に衰退。


全共闘
全学共闘会議の略称。大学の学生自治会の全国連合組織が『全学連全国大学自治会総連合)』であるが、それとは異なり、基本的には、70年安保闘争あるいは、個別大学闘争勝利のために、学部やセクトを越えた連合体として各大学に作られたのが全共闘である。
日大では日大闘争の際に全共闘が組織され、また東大でも医学部での紛争が全学部的な問題に発展してから、全共闘が組織され、この二つの全共闘が70年安保闘争の中核的な闘争組織となった。

一般的には、自然発生的にノンセクトの中のラジカルな部分が結集して作った大衆組織といってもよい。
⇒重要

全共闘運動は、セクトの指導でその方針に素直に従うというものではなく、

意識の中心になったのは、個人の主体が体制に対して、どのような闘いをしかけられるか、つまり個人の思想や行動の主体的な実践、勝利といったものを目指した。

それだけに、そこにはマルクス主義だけでなく、実存主義もあり、リベラリズムもあり、さらには単なるお祭り参加気分のラジカリズムがあったり、もっといえば性的な面での解放運動や、文学を含む芸術的な運動なども包含していた。
⇒重要

全共闘が1968年段階で最激化したのは、その大衆性によるところが大きい。
全共闘運動は、1969年の全国全共闘結成で、かたちとしては頂点を迎えるが、既に当時は、実質的には全共闘の時代は終焉し、セクトの時代に突入していた。


美化し過ぎな解説ではあるな。
重要な点は...左派誘導とは言え、当初は自然発生的な大衆運動であったが...結局、赤左派に喰われてしまったという事か。


セクト
主に左翼運動で、主張を同じくするものの集団。
党派。
社学同革マル派中核派などの政治組織を指すこともある。

宗派。
分派的宗教集団。
制度的教会(チャーチ)の対概念。

(一般的に)全体の組織に悪影響を与える、よろしからぬ『党派』『派閥』などをさす。
セクト主義』。


つげ義春...柘植義春:
テーマを日常や夢に置き、旅をテーマにした作品もある。
『ガロ』を通じて全共闘世代の大学生を始めとする若い読者を獲得。
1970年代前半には「ねじ式」「ゲンセンカン主人」などのシュールな作風の作品が高い評価を得て、熱狂的なファンを獲得した。


ねじ式少女』だあ?
...何だそれ?
http://www.youtube.com/user/nejisikishoujo/
歌は下手だが、映像は頑張てるな。
でも、世相に釣られてるだけかな。


高度成長:
日本経済が飛躍的に成長を遂げた時期は、
1954年(昭和29年)12月から
1973年(昭和48年)11月まで
の19年間である。

一部文献では
第一次高度経済成長期
(設備投資主導型)は
1954年(昭和29年)12月から
1961年(昭和36年)12月まで

転型期は
1962年(昭和37年)1月から
1965年(昭和40年)10月まで

第二次高度経済成長期
(輸出・財政主導型)は
1965年(昭和40年)11月から
1973年(昭和48年)11月まで

本格的な高度経済成長期はエネルギー革命を基に
1962年(昭和37年)11月から
1970年(昭和45年)7月まで
と言われる。