雨月物語

lightsilver2012-09-26

先日...2012年8月31日の満月はブルームーンと言いまして、日食や月食のレッドムーン程の派手さはない微かな天体イベントでしたが...ご覧になりました?
大層縁起が良いとのこと...まあ、この辺は気持ちの問題。
次回は2013年8月21日、次々回はそのまた2年後だそうだ。

さて...
雨霽月朦朧之夜...雨がやんで月がおぼろに見える夜。
雨月物語...作者は上田秋成、私の御先祖様ですな(嘘)。

改訂 雨月物語 現代語訳付き (角川ソフィア文庫)

改訂 雨月物語 現代語訳付き (角川ソフィア文庫)

水木しげるの雨月物語 (河出文庫)

水木しげるの雨月物語 (河出文庫)

水木しげるコミカライズかあ...う〜ん微妙だわ。
雨月物語て、怪談て事で認知されてるけど恐怖を煽るような内容ではなく...人の業なり情念を表現する小道具のひとつとしてお化けとか使われてるからね、幻想感のデザイン演出はともかく、写実得意な作家さんのがいいんでねえの...?

江戸後期の作品なもんで、やはり原文では素人には辛過ぎるて事で、そこは現代語訳に頼る訳ですが...海外作品の翻訳も同じことで訳者の力量にもろ影響されますんで、この辺りは先日と同じく、これからの才能ある方々に期待したいところですわ。
別に文字表現に拘る必要は全くないんですよ。
ただ...偉大な先達々の美味しそうな要所だけつまみ食いして、我がオリジナルだとか、新しい文化だとかみたいな糞なやり方は...もういい加減、勘弁して下されや。
原本を下敷きに、確固とした背骨として、その上に自己の解釈や現代の価値観、最先端の表現手法を積み上げていけばいいんですよ。

半端な直訳よむぐらいなら、解説読んで想像力膨らましたほうがましてことで...
http://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%A8%E6%9C%88%E7%89%A9%E8%AA%9E
便利な世の中になりましたな。


とは言え...何もないのは寂しいし御先祖様(嘘)にとても顔向けできないので、各編の題名を列挙。
字面が良いのですわ...

・白峯(しらみね)
・菊花の約(きっかのちぎり)
浅茅が宿(あさぢがやど)
・夢応の鯉魚(むおうのりぎよ)
・仏法僧(ぶつぽうそう)
吉備津の釜(きびつのかま)
・蛇性の婬(じやせいのいん)
・青頭巾(あをづきん)
・貧福論(ひんぷくろん)

以上9編。
説法ディベートやら、モンスターガチンコバトルや念力合戦、悲恋や嫉妬もあればBLもあり、あげくにビジネス論まで、何でもござれの充実の内容となっておりますです。

それぞれ話できればとも思いますが、また改めて。
この場に合致してる作品は...菊花の約・浅茅が宿・夢応の鯉魚てところですかな。
先の2作品は超有名なので割愛して、夢応の鯉魚てことで。

では簡単に...
近江の国(滋賀県)に鯉の絵が得意な坊さんがいました...と。
仏事を全うしながらも呑気に愉快に人生を謳歌していたのが、突然の病でお亡くなりに。
が...なんと3日後に復活!
人騒がせな奴だな。
何事かと尋ね聞くと...鯉になって琵琶湖泳いで遊んでたんだと。
腹減ったんで餌に食い付いたら、知人に釣り上げられて調理直前で目が覚めたんだとさ。
知人宅に行くと鯉は調理済みだったそうな。
以降...坊さんは完治し天寿を全うしたんだが、坊さんが描いた鯉の絵を湖に浮かべると泳ぎだすようになった...というお話。

泳げたいやき君?